カフェを始める前から、経営やマーケティングについては勉強していました。
数字を考えることも苦手ではなかったので、結果的に大きく外すことなく、今まで営業を続けられています。
ただ、最初から事業主らしい考え方ができていたわけではありません。
知識はあっても、考え方はまだ会社員に近かったと思います。
実際に経営しながら勉強を続ける中で、「自分が無意識にやっていたことは、こういう考え方だったのか」と腑に落ちることが増えました。
今回は、3年間カフェを営業して実感したことを書いてみます。
① 最初は会社員の感覚が残っていた
会社員は、基本的に与えられた仕事をこなします。
でも事業主は、何をやるか、何をやらないかから自分で決めなければいけません。
売上を作る方法も、営業時間も、価格も、メニューも、自分で考えます。
開業前から計画は立てていましたが、実際に始めてみると、会社員とは考える範囲が全く違いました。
自分の判断が、そのまま売上や利益につながります。
この感覚に慣れるまでには、少し時間がかかったと思います。
② 開業直後は事業のことばかり考えていていい
開業したばかりの頃は、ほとんどの時間をカフェに使っていました。
営業だけではなく、仕込み、掃除、買い出し、経理、広告、新商品のことまで考える必要があります。
時給に換算すると最低賃金を下回っていて、正直かなりやる気が下がることもありました。
でも、開業直後の事業主は、しばらく事業のことばかり考えるものだと知りました。
最初から効率よく利益を出せるわけではありません。
その時期を経験して、「最初はこれでいいんだ」と思えたことで、少し気持ちが楽になりました。
今は仕事にも慣れ、効率化も進んでいます。
最初の状態がずっと続くわけではありませんでした。
③ 売上だけでも、利益率だけでも足りない
経営では「売上より利益が大切」と言われます。
それはその通りだと思います。
私もメニューを考える時は、常に利益率を確認しています。
ただ、ある程度の売上がなければ、そもそも十分な利益は残りません。
特に日本の外食業界では、価格を自由に上げられるわけではありません。
私のお店のような地域密着型の店では、周辺の相場から大きく外れた価格にすると選ばれにくくなります。
外国人観光客が多い場所など、価格を上げやすい立地なら別の戦い方もできると思います。
でも私の場合は、相場を見ながら利益率を考え、必要な売上も作る必要があります。
売上か利益のどちらか一方ではなく、両方のバランスを見ることが大切だと感じています。
④ 目的が決まると手段も決まる
経営で一番腑に落ちたのは、目的に合わせて手段を選ぶという考え方です。
私の目的は、店舗や売上を最大限まで増やすことではありません。
一人で働き、人間関係のストレスを減らし、自分が納得できる生活をすることです。
その目的があるから、ワンオペを選びました。
大きな店舗にせず、ランチメニューも作らず、無理に従業員を増やすこともしません。
一方で、生活できる利益を残すために、テイクアウトを重視し、必要なら値上げもします。
目的が明確になると、やることにも筋が通ります。
同時に、やらないことも決めやすくなりました。
⑤ リソースは有限
事業に使えるものは、時間だけではありません。
体力。
集中力。
考える力。
お金。
どれも限られています。
全部を同じように頑張ろうとすると、本当に重要なことに使う力が残りません。
だから私は、必要な品質を保ちながら、重要度の低い部分では力を抜くようにしています。
例えば、すべての作業を完璧にするより、売上やお客様の満足に大きく関わる部分へ優先的に力を使います。
何にリソースを使い、何には使わないのか。
それを考えることが、ワンオペ経営では特に大切だと思っています。
⑥ 不安は計算すると小さくなる
開業すると、お金に対する不安はなくなりません。
売上が落ちたらどうするか。
設備が壊れたらどうするか。
何か月分の資金を残しておけば安心なのか。
漠然と考えていると、不安だけが大きくなります。
でも、毎月必要な金額や、手元資金で何か月営業できるかを計算すると、状況が見えるようになります。
必要な金額が分かれば、それ以上に不安になる必要もありません。
私も、どれくらいの手元資金があれば問題ないかを考えることで、以前より安心して経営に集中できるようになりました。
お金が多ければ安心なのではなく、自分に必要な金額を把握していることが大切だと思います。
⑦ 生活全体のリソース配分も変わった
経営の考え方は、お店の外の生活にも影響しました。
以前は広めの部屋に住み、物も多く持っていました。
でも、使っていない空間に物を置き、その場所の家賃まで払うことに疑問を持つようになりました。
そこで、物をかなり処分し、店舗の徒歩圏内にある小さな部屋へ引っ越しました。
家賃も下がり、通勤時間も短くなりました。
大量に物を捨てましたが、特に困ったことはありません。
むしろ、掃除や片付けに使う時間と体力が減り、店に使えるリソースが増えました。
事業とプライベートは別ですが、どちらも限られたお金や時間を何に使うかという点では同じだと思っています。
まとめ
カフェを始める前から経営やマーケティングは勉強していました。
数字にも比較的強かったので、結果的に大きく外すことなく営業できています。
ただ、実際に事業を始めてから、知識と経験がつながる場面が増えました。
最初は事業のことばかり考えていてもいい。
売上と利益の両方を見る。
リソースは有限。
不安は計算して小さくする。
そして、目的に合わせて手段を選ぶ。
目的が明確になると、判断に迷う時間が減ります。
やることにも、やらないことにも筋が通り、本当に必要なことへ集中できるようになりました。
昔から変わらないことが一つだけあります。
少しでもやりたいと思ったことは、できるだけやることです。
先のことは誰にも分かりません。
だから私は、これからもその時にやりたいと思ったことを選んでいくと思います。
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