派遣薬剤師の仕事内容は?10店舗以上で働いて分かった職場ごとの違い

私は約2年間、派遣薬剤師として10店舗以上の薬局やドラッグストア併設薬局で働きました。

単発派遣と、週5日勤務を基本とした2か月更新の派遣の両方を経験しています。

派遣薬剤師として働いてみて感じたのは、同じ薬局でも職場によって仕事の進め方や環境がかなり違うということでした。

電子薬歴のシステムや記載方法、店舗独自のルール、ドラッグストア併設薬局での業務、休憩の取り方なども勤務先によって変わります。

この記事では、私が10店舗以上で実際に働いて分かった、派遣先ごとの仕事内容や働き方の違いについて紹介します。

派遣薬剤師として約2年間、10店舗以上で働いた

派遣薬剤師として働いていた約2年間は、特定の診療科に絞らず、いろいろな薬局で働きました。

基本的な薬剤師業務は同じでも、店舗が変われば使用するシステムや細かなルールも変わります。

最低限の説明を受けたら、あとはある程度任せてもらえる職場もあれば、勤務初日に半日ほど研修を受ける職場もありました。

単発派遣では、用意されたマニュアルを確認しながら仕事を始めるところもありました。

派遣先が変わるたびに、まずはその店舗のやり方を確認して、それに合わせて働くことになります。

派遣先はすべて電子薬歴を選んだ

私が実際に勤務した派遣先は、すべて電子薬歴でした。

求人を探していると紙薬歴の職場も見かけましたが、私は希望しませんでした。

電子薬歴といっても、使用しているシステムは職場によって違います。

ただ、基本的な入力の考え方は共通しているため、システムが変わっても私は大きく困ることはありませんでした。

私が勤務したほとんどの職場では、SOAP形式を基本に薬歴を記載していました。

ただ、1店舗だけ一般的なSOAP形式とは異なる独自の記載方法や入力順序を細かく決めている職場がありました。

その職場では勤務開始時に研修があり、薬局独自のルールに合わせて入力していました。

電子薬歴そのものに慣れていても、薬歴の書き方まで同じとは限りません。勤務初日は、その店舗での入力方法や記載ルールを確認するようにしていました。

ドラッグストア併設薬局では仕事内容が少し広かった

ドラッグストア併設薬局では、調剤専門の薬局よりも対応する業務が少し広くなることがありました。

その一つが処方入力です。

処方入力は基本的に事務スタッフが担当する仕事なので、調剤専門の薬局では私が入力することはほとんどありませんでした。

一方、ドラッグストア併設薬局では、事務スタッフがいない時間帯に薬剤師が処方入力をすることがありました。

私は以前の勤務先で処方入力を経験していたため、派遣先でも処方入力から調剤まで対応でき、助かったと言ってもらえることがありました。

また、ドラッグストア側に薬剤師がいない時間帯には、第1類医薬品の販売時に調剤側の薬剤師が呼ばれることもあります。

処方入力やOTC医薬品の経験がほとんどない場合は、ドラッグストア併設薬局を選ぶ際に、どこまで対応する必要があるのか確認しておいた方がいいと思います。

在宅分の調剤や麻薬の取り扱いも職場によって違った

派遣先から在宅患者のもとへ訪問することはありませんでしたが、在宅分の調剤や一包化、監査は行っていました。

職場によっては、外来が空いている時間も在宅分の一包化や監査を続けることがありました。

麻薬を扱う頻度にもかなり差がありました。

ほとんど扱う機会がない薬局もあれば、規模の大きな薬局では麻薬処方や入荷に対応する機会が頻繁にあるところもありました。

同じ薬剤師業務でも、派遣先によって日常的に行う作業はかなり変わります。

店舗の規模によってルールや設備も違った

10店舗以上で働いてみると、店舗の規模によっても仕事の進め方に違いがありました。

私が経験した範囲では、数店舗を展開する比較的小規模な薬局は細かなルールが少なく、比較的気楽に働けるところが多かったです。

一方、大型店舗やチェーン店では細かなルールが多く、最初に覚えることも増えましたが、監査システムなどが整っている職場も多くありました。

小規模な薬局では監査システムが導入されていないところもあり、機械によるチェックがない分、自分でより注意して確認する必要があります。

私にとっては小規模な薬局の方が気楽でしたが、設備面では大型店舗やチェーン店の方が充実していることもありました。

店舗の人数によって休みやすさも違った

勤務人数は、休みやすさにも影響しました。

人数の少ない薬局では、一人休むだけでも勤務体制への影響が大きいため、基本的には契約したシフト通りに勤務する必要がありました。

一方、薬剤師が多い大型店舗では、翌月のシフトを組む前に休みの希望を聞いてもらえる職場もありました。

派遣でも予定に合わせて休みを取りたい場合は、勤務人数も派遣先を選ぶときの判断材料になると思います。

一人で勤務した例外的な職場もあった

私が10店舗以上で働いた中では、派遣薬剤師が一人で開店や閉店に関わる作業まで担当することはほとんどありませんでした。

ただ、1店舗だけ例外がありました。

ドラッグストア併設薬局で、半日ほど事務スタッフも他の薬剤師もおらず、完全に一人で勤務する時間がありました。

その時間帯は、処方入力から調剤まで一人で対応していました。

また、早番では開店に関わる作業、遅番では閉店に関わる作業も担当しました。

10店舗以上で勤務して、このような働き方を経験したのはこの1店舗だけです。

ドラッグストア併設薬局などで勤務する場合は、一人になる時間帯があるのか、開店や閉店に関わる作業を担当する可能性があるのか、分かれば事前に確認しておくと安心です。

大型商業施設で初日の入館に困ったこともある

大型商業施設内にあるドラッグストア併設薬局へ派遣されたときには、初日の入館で困ったことがありました。

その施設では、従業員は一般客とは別の入口から入館し、入館証も必要でした。

ところが、初日の私はそのこと自体を知らされていませんでした。

さらに勤務時間についても連絡に行き違いがあり、本来は入館証が用意されるまでは遅番で勤務する予定だったようですが、私は初日から早番だと聞いていました。

施設の開店前に到着したものの、一般客用の入口からは入れません。店舗も開店前なので通常の電話では連絡がつかず、どうやって中に入ればいいのか分からない状態になりました。

朝9時前でしたが派遣会社の担当者へ電話したところ、対応してもらうことができました。

店舗へ入ってから確認して、店舗側が認識していた勤務時間と、私が派遣会社から聞いていた時間が違っていたことも分かりました。

どこで行き違いが起きたのかは分かりません。

その後、入館証が用意されてからは早番にも入り、開店に関わる作業を担当していました。

10店舗以上で働いた中でもこうした経験はこの1店舗だけでしたが、大型商業施設内の店舗で働く場合は、初日の従業員用入口や入館方法、入館証について事前に確認しておくと安心です。

休憩場所や荷物置き場も職場によって違った

仕事内容以外で意外と差が大きかったのが、休憩環境です。

全員が一斉に休憩する職場もあれば、時間をずらして交代で休憩する職場もありました。

冷蔵庫があり、弁当を持って行きやすい職場もあります。

一方、食事を取る場所はあっても、勤務人数に対してかなり狭く、座る場所がほとんどない職場もありました。

その職場で働いていた期間は毎日のように外食することになり、近くのファストフード店や牛丼店を利用することが増えました。塩分の多い食事が続いたせいか、その期間だけかなりむくんだのを覚えています。

荷物についても、個人ロッカーが用意されている職場もあれば、明確な荷物置き場がなく、薬局の奥に置く職場もありました。

こうした細かな設備は実際に行ってみないと分からないことも多いので、休憩場所や荷物を置く場所は勤務初日に確認していました。

派遣では残業はほとんどなかった

私が勤務した範囲では、派遣薬剤師として残業することはほとんどありませんでした。

勤務時間が決まっているので、時間になればそのまま帰れる職場が多かったです。

逆に患者さんが少なく手が空いている日は、予定より早く帰ってもいいと言われることもありました。

派遣は時給制なので、早く帰ればその分の給与は減ります。それでも、私が見ていた範囲では早く帰る人は比較的多かったです。

勤務終了時間が読みやすいことは、派遣で働いていて良かった点の一つでした。

派遣先ではまずその職場のやり方に合わせていた

10店舗以上で働いていると、店舗独自のルールや仕事の進め方にはかなり差がありました。

派遣先に入ったら、まずその店舗のやり方を確認し、勤務中はそれに合わせるようにしていました。

派遣だからといって担当する仕事を細かく限定するのではなく、処方入力が必要なら入力し、手が空いていて周囲が掃除をしていれば一緒に掃除するなど、できる範囲のことはやっていました。

一部の職場では、管理薬剤師から頼まれて、新入社員や実習生に一般的な業務を教えることもありました。これは私が経験した一部の職場での話で、派遣薬剤師の一般的な仕事内容というわけではありません。

店舗独自のやり方には、実際に働いてみないと分からない部分もあります。

勤務中はその職場のルールを確認して合わせていましたが、自分には合わないと感じた場合は、次回の契約を更新しないという選択もできます。

勤務前と初日に確認しておきたいこと

派遣求人には、勤務時間や主な処方科目、おおよその処方箋枚数、紙薬歴か電子薬歴かといった基本的な情報は記載されていることが多いです。

それ以外で、私が事前に確認できると安心だと思ったのは、求人情報だけでは分かりにくい部分です。

特に確認しておきたいのは、大型商業施設内なら初日の従業員用入口や入館方法、ドラッグストア併設薬局なら一人になる時間帯や開店・閉店作業の有無、処方入力やOTC対応が必要になるかどうかです。

電子薬歴の具体的な入力方法、調剤や監査、薬歴記載の店舗独自ルール、休憩の取り方や場所、荷物置き場などは、勤務初日に確認すればいいと思います。

また、派遣会社の担当者が勤務時間外にすぐ対応できるとは限りません。勤務先側の緊急時の連絡先や連絡方法が決まっていれば、最初に確認しておくと困りにくいです。

まとめ

派遣薬剤師として10店舗以上で働いてみると、基本的な薬剤師業務は同じでも、電子薬歴、処方入力、OTC対応、店舗独自のルール、設備や休憩環境などにはかなり違いがありました。

店舗の規模や形態によっても働き方は変わります。新しい派遣先ではまずその店舗のやり方を確認し、実際に働いてみて合わなければ次回の契約を更新しない、という働き方もできます。

派遣会社による違いについては、ファルマスタッフ(メディカルリソース)とファル・メイトを比較|約2年間の派遣薬剤師体験談でまとめています。

また、派遣薬剤師として働きながらカフェ開業の準備を進めた約2年間については、派遣薬剤師を続けながらカフェを開業するまで|約2年間の準備と流れで詳しく書いています。

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