東京都足立区で約7坪の小さなカフェを、基本的に一人で営業しています。
開業して約3か月後からUber Eatsと出前館を利用し、現在はロケットナウも加えて3社のデリバリーサービスを使っています。
直近約1年間の売上は、次のようになりました。
- Uber Eats:約42万円
- 出前館:約40万円
- ロケットナウ:約87万円
3社を合わせると約169万円です。
ロケットナウの売上がかなり多くなっていますが、日本でサービスを広げるためのキャンペーンが行われていた時期でもあります。その影響もあると思うので、この結果だけで「ロケットナウが一番売れる」とは言えません。
この記事では、実際の売上や注文件数、手数料に加えて、約3年間デリバリーを利用して感じた負担やトラブル、実店舗への来店につながった例までまとめます。
あくまで東京都足立区にある個人カフェ1店舗の実例として参考にしてください。
個人カフェで3社を利用している理由
現在利用しているのは、Uber Eats、出前館、ロケットナウの3社です。
Uber Eatsと出前館は開業約3か月後から約3年間、ロケットナウは2025年6月頃から利用しています。
3社を使っている理由は、時期によって注文が入るサービスが変わるからです。
キャンペーンを実施しているサービスに注文が集まることもあり、「最近はこのサービスからよく入る」という状況は変化します。
私の地域では3社とも利用できるため、現在は1社に絞らず使っています。
直近約1年間の売上を比較
3社とも、ほぼ同じ約1年間の実績です。
| 比較項目 | Uber Eats | 出前館 | ロケットナウ |
|---|---|---|---|
| 売上 | 約42万円 | 約40万円 | 約87万円 |
| 注文件数 | 227件 | 225件 | 598件 |
| 平均注文額 | 約1,840円 | 約1,770円 | 約1,460円 |
| 手数料の目安 | 基本35% | 実績約38.4% | 現在の実績約38.5% |
| 特徴 | 約3年間利用 | 大量注文が入ることもある | 注文件数が多かった |
| 注意点 | 一時的に利用できないことがあった | 決済手数料が加わる場合がある | キャンペーンの影響も考えられる |
※Uber Eatsと出前館は2025年9月1日から2026年8月31日まで、ロケットナウは2025年9月5日から2026年9月5日までのデータです。
※ロケットナウには618件の販売記録があり、そのうち20件がキャンセルでした。キャンセル前の金額は約89万円、キャンセル後の売上は約87万円です。表の注文件数と平均注文額は、キャンセル後の598件を基準にしています。
Uber Eatsと出前館は、年間の売上も注文件数もかなり近い結果になりました。
一方、ロケットナウはキャンセル後でも598件あり、ほかの2社より注文数が多くなっています。
ただし、ロケットナウは日本でサービスを広げるためのキャンペーンを大きく行っていた時期と重なっています。今後も同じ注文数が続くかは分かりません。
3社の手数料はどのくらいかかる?
細かい計算方法は各社で異なりますが、私の利用状況では売上から35〜38.5%程度が差し引かれています。
Uber Eatsは、配達パートナーを利用する場合の基本手数料が35%です。
出前館は、サービス利用料10%と配達代行手数料25%に、キャッシュレス決済の場合は決済手数料が加わります。私の実績では、売上に対して約38.4%が差し引かれていました。
ロケットナウは、私が利用を始めた当初は25%でしたが、2025年11月下旬から35%に変更されています。
私の契約と2026年9月までの明細では、手数料とその消費税を合わせて、売上に対する実質的な差引率は約38.5%でした。契約時期や条件によって異なる可能性があります。
広告などの追加サービスを利用しなければ、現在は3社の手数料に極端な差はないと感じています。
デリバリー価格は店頭価格より高くしている
デリバリーでは手数料がかかるため、その分私の店では店頭より販売価格を高く設定しています。
ただし、手数料分をそのまますべて上乗せしているわけではありません。
35%分をすべて上乗せすると販売価格がかなり高くなり、購入する側からすると注文しにくい価格になってしまいます。
そのため、店頭価格よりは高くしつつ、手数料の一部は店舗側で負担する価格設定にしています。
ロケットナウの「お店と同価格」は対象外
ロケットナウには、アプリ上の商品を店頭と同じ価格で購入できる「お店と同価格」の対象店舗があります。
対象店舗にはアプリ上でバッジが表示されます。
私の店には現在このバッジが付いていないため、対象外です。この記事で紹介している私の価格設定とは別の仕組みになります。
3社を実際に使った感想
Uber Eatsを約3年使った感想
Uber Eatsは、開業して3か月ほど経った頃から利用しています。
直近約1年間では227件、売上は約42万円でした。月によって注文数には差がありますが、約3年間継続して利用しているサービスです。
一時期、理由ははっきり分からないもののアカウントが停止したような状態になり、ログインできず利用できないこともありました。
現在は通常通り利用しています。
長く使っているとトラブルが起きることはありますが、それを含めても私の店では注文の入口の一つになっています。
出前館を約3年使った
出前館もUber Eatsとほぼ同じ時期から利用しています。
直近約1年間では225件、売上は約40万円で、Uber Eatsとかなり近い結果でした。
出前館で特徴的なのは、たまに商品数の多い注文が入ることです。家族など複数人分なのか、一度にかなりの数を注文されることがあります。
普段の注文で困ることはありませんが、商品数の多い注文と来店客が重なると、一人での対応は負担が大きくなります。
ロケットナウは注文数が多かった
ロケットナウは2025年6月頃から利用しています。
今回確認した約1年間では618件の販売記録があり、そのうち20件がキャンセルでした。
キャンセル後の注文件数は598件、売上は約87万円です。3社の中では、売上も注文件数も最も多い結果になりました。
一方、出前館のように、一度に大量の商品を注文されることはあまりありません。
1件あたりの金額は比較的小さく、少額の注文が多く入っているのが今回の特徴です。
利用開始当初は受注トラブルもあった
ロケットナウの記録には、キャンセルが20件あります。
ただし、すべてがお客さんによるキャンセルではありません。
利用を始めた頃は、こちらでは受注したつもりでも正常に受注できておらず、結果的にキャンセル扱いになったことが何度かありました。
現在はそのようなことはなく、改善されています。
そのため、今回のキャンセル件数だけを見て「ロケットナウはお客さんによるキャンセルが多い」とは考えていません。
デリバリー注文の傾向
注文は朝から入る
私の店では、朝の時間帯からデリバリー注文が入ります。
ロケットナウでは、キャンセル分を含む販売記録618件のうち、正午までに入った記録が311件ありました。約半分が午前中の注文です。
朝はキッシュやスコーン、ドリンクなどの注文が入ります。
昼だけに集中するのではなく、朝から注文が入ることで、営業時間を通して売上を増やせるのはメリットだと感じています。
キッシュとスコーンがよく売れる
私の店でデリバリー注文が多いのは、キッシュとスコーンです。
ロケットナウの販売記録では、スコーンを含む注文が303件、キッシュを含む注文が90件ありました。
スコーンは単品だけでなく、ドリンクと一緒に注文されることも多いです。
店頭ではケーキやドリンクなどいろいろな商品が出ますが、デリバリーでは特にキッシュとスコーンの注文が目立ちます。
一人営業で感じる負担
包装は通常のテイクアウトとほぼ同じ
包装については、それほど負担は増えていません。
ケーキや焼き菓子、キッシュなどは、基本的に店頭でテイクアウトするときと同じ包装を使っています。
デリバリー用として別に用意しているのは、主にドリンクホルダーです。
そのため、私の店ではデリバリーを始めるために包装資材を大きく変更する必要はありませんでした。
注文が重なると忙しくなる
私は基本的に一人で営業しているため、来店客とデリバリーの注文が同時に入ると忙しくなります。
基本的には、先に注文している来店客の商品を準備してからデリバリーに取りかかります。
ただ、予想より早く配達員が到着することもあります。
特に商品数の多い注文が入っているときに店内注文まで重なると、一人での対応は負担が大きくなります。
反対に、注文が重ならなければ、通常のデリバリー対応そのものはそれほど複雑ではありません。
商品ミスやキャンセル時の対応
約3年間利用する中では、何度かトラブルも経験しました。
一度、商品数の多い注文で、私が商品を一つ入れ忘れてしまったことがあります。
このときはこちらからサポートへ連絡しましたが、なかなかつながらず、通常営業をしながら対応するのは負担になりました。
最終的には、入れ忘れた商品の金額が差し引かれた状態で精算されています。
欠品で注文をキャンセルしなければならなくなったときも、以前はサポートへの連絡が必要でした。
最近は、サービスによっては一部の処理をタブレット上で完結できるようになり、以前より対応しやすくなっています。
ほかにも、画面では受け渡し済みになっているのに配達員が来ておらず、サポートへ電話したこともあります。
通常の注文よりも、こうしたイレギュラーが起きたときの対応に時間がかかります。
客都合のキャンセルは店舗へ支払われることもある
お客さん側の都合で、商品を作った後にキャンセルになることもあります。
私が経験したケースでは、こうした客都合のキャンセルは基本的に店舗側へ代金が支払われています。
ただし、キャンセルの理由やタイミングによって扱いが変わる場合もあるため、その都度確認は必要です。
デリバリーから実店舗への来店もある
デリバリーは売上だけでなく、店を知ってもらうきっかけにもなっています。
実際に、デリバリーで注文した後に実店舗へ来てくれたお客さんがいます。
さらに、配達員として商品を取りに来て店を知り、その後は一般のお客さんとして定期的に来店している人も数人います。
すべての利用者が実店舗に来るわけではありませんが、新しいお客さんとの接点が増える点も、私がデリバリーを続けている理由の一つです。
フードロス削減アプリのToo Good To Goも、店舗側として実際に試しています。
個人カフェがToo Good To Goを店舗側として使ってみた|手数料と販売結果
3社使える地域なら複数導入も選択肢
私の場合は、今後もUber Eats、出前館、ロケットナウの3社を利用する予定です。
キャンペーンなどによって注文が入るサービスが変わるため、3社とも利用できる地域なら、最初から1社に絞らず複数社を利用するのも選択肢だと思います。
ただし、これは地域や店舗の営業体制によります。
場所によってはデリバリーの対象エリア外だったり、利用できるサービスが限られていたりします。
また、複数社から同時に注文が入ったときに対応できるかどうかも考える必要があります。
デリバリーの導入自体は難しくない
申し込み後は、商品登録や価格設定、営業時間などを設定して利用を始めます。
普段からパソコンを使っている人なら、それほど難しい作業ではないと思います。
一方、パソコンやタブレットの操作が苦手な人にとっては、最初の商品登録や各種設定に時間がかかるかもしれません。
導入後の通常の注文処理はシンプルですが、複数のサービスを使う場合は、それぞれの商品、価格、営業時間などを管理する必要があります。
年間約169万円の売上がそのまま入金されるわけではない
今回確認した3社のデリバリー売上は、合計約169万円です。
ただし、この金額がそのまま店舗に入金されるわけではありません。
各社とも手数料などで35〜38.5%程度が差し引かれるため、単純計算では実際に入金されるのは約105〜110万円程度になります。
広告料、キャンセル、返金、個別の調整などによって、実際の入金額は変わります。
もちろん、この金額がそのまま利益になるわけではなく、ここから食材や包装資材などの原価がかかります。
また、私の店では手数料のすべてを販売価格に上乗せしているわけではないため、同じ商品なら店頭で購入してもらう方が店舗に残る利益は大きくなります。
それでも、通常営業とは別にこれだけの注文を受けられることにメリットを感じるか。そのために注文対応の負担が増えても続けたいと思えるか。
個人店がデリバリーを導入するか考えるときは、このあたりが一つの判断材料になると思います。
まとめ
私の店では、デリバリーを実店舗とは別の販売経路として利用しています。
店頭販売より利益は残りにくく、注文が重なったときやトラブルが起きたときには対応する作業も増えます。
一方で、席数に関係なく注文を受けられ、デリバリーをきっかけに店を知ってもらえることもあります。
直近約1年間では、3社を合わせて約169万円の売上になりました。キャンペーンの影響もあり、今回はロケットナウの注文数が多い結果でしたが、時期によって注文が入るサービスは変わります。
私の場合は通常営業と並行して対応できているため、今後も3社を利用する予定です。
デリバリーを導入するかどうかは売上だけではなく、手数料を差し引いた後にどのくらい残るのか、そのために増える作業を負担できるかまで考えて判断するのがいいと思います。


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